お茶好き必見!ティーバッグにマイクロプラスチックが含まれているってホント?

皆さんは普段どんなお茶を飲んでいますか?ペットボトルのお茶、急須で淹れるお茶、そして手軽なティーバッグのお茶。特にティーバッグは、お湯を注ぐだけで本格的なお茶が楽しめるので、茶葉の商品よりティーバッグの種類の商品ほうが多いと思うほど普及しています。
しかし、そのティーバッグ、実はマイクロプラスチックの宝庫かもしれません。
カナダ・マギル大学の研究で、ある意外な事実が明らかになりました。
衝撃の研究結果:ティーバッグから大量のプラスチックが溶け出す
マギル大学のナタリー・チュウ博士率いる研究チームは、市販されている4種類のプラスチック製ティーバッグを調査しました。その結果、なんと 1つのティーバッグから116億個のマイクロプラスチックと、31億個のナノプラスチックが、高温のお湯の中に放出されることがわかったのです。
この研究で使われたティーバッグは、ナイロンやPET(ポリエチレンテレフタレート)といったプラスチック素材でできています。見た目は紙のように見えますが、実は網目状のプラスチックでできているものが少なくありません。
今までにも、ペットボトルからマイクロプラスチックが検出されることは知られていましたが、ティーバッグからこれほど大量のプラスチックが放出されるという事実は、多くの研究者にとって衝撃でした。
この研究は、まだ人間への健康影響を直接的に証明したものではありません。しかし、マイクロプラスチックが熱湯の中で分解され、お茶の中に溶け出しているのは間違いありません。
※水出しについては言及されていないので、今回はお湯で出すティーバッグのことです
参照
https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.est.9b02540

マイクロプラスチックって何?どこにあるの?
そもそもマイクロプラスチックとは、大きさが5mm以下のごく小さなプラスチックの粒子のことです。そして、100nm(ナノメートル)以下のさらに小さな粒子はナノプラスチックと呼ばれます。
これらのプラスチックは、海洋汚染の元凶として知られています。私たちが使ったプラスチック製品が海に流れ出し、紫外線や波の力で細かく砕かれてマイクロプラスチックになります。
そして、それらが魚の体内に入り、その魚を私たちが食べることで、間接的にマイクロプラスチックを摂取している可能性があります。
しかし、今回の研究でわかったように、マイクロプラスチックは海の中だけにあるわけではありません。私たちの身の回りの、思いもよらない場所にも存在しています。
例えば、衣類に使われている合成繊維(ポリエステル、ナイロンなど)も、洗濯するたびにマイクロプラスチックとして流れ出ています。また、歯磨き粉に含まれるスクラブ剤や、化粧品のラメなどにも使われていることがあります。
身体への影響は?マイクロプラスチックはどこへ行く
「プラスチックを飲んでしまったらどうなるの?」と不安になりますよね。現時点では、マイクロプラスチックが人体にどのような影響を及ぼすかは、まだ十分に解明されていません。しかし、いくつかの研究では、細胞への悪影響や炎症を引き起こす可能性が指摘されています。
通常、体内に異物が入ると、免疫細胞がそれを攻撃し、体外に排出する仕組みがあります。しかし、マイクロプラスチックはあまりに小さいため、消化管の壁を通り抜けて、血液中やリンパ管に侵入する可能性があると考えられています。
一度体内に取り込まれたマイクロプラスチックは、肺や肝臓、腎臓、そして胎盤にまで蓄積されるという研究結果も報告されています。
参照
New York Post “The hidden danger in the air that can cause infertility, colon cancer and lung problems”
https://nypost.com/2024/12/18/health/hidden-danger-can-cause-infertility-colon-cancer-lung-problems/
プラスチックを飲まないためにできること

では、私たちは今後、お茶をどう飲めば良いのでしょうか?解決策はいくつかあります。
ティーバッグの素材を確認する
まず、一番簡単なのは、使われているティーバッグの素材をチェックすることです。
プラスチック製ティーバッグは、ナイロンやPET、PP(ポリプロピレン)といった素材でできています。特に、三角錐型のティーバッグはプラスチック製であることが多いです。
購入前にパッケージの表示を見て、「植物由来」「生分解性」といった表示があるものを選ぶのも良いでしょう。
【生分解性表示のブランド、JOE’S TEA(ジョーズティー)】
2012年にロンドンで誕生したオーガニック紅茶ブランド。ティーバッグ、ヒモ、タグはすべて生分解可能な素材(サトウキビ・綿・紙)を使用し、パッケージもエコ素材。輸送には船便を優先するなど、地球環境への配慮を徹底しています。

急須で茶葉から淹れる
最も確実な方法は、昔ながらの急須で茶葉からお茶を淹れることです。茶葉は、自然の植物なので、プラスチックが含まれる心配はありません。
急須で淹れるお茶は、手間がかかるように感じるかもしれませんが、香りも味も格別です。最近は、一人暮らし向けの小さな急須や、手軽に使える茶こしも販売されています。
自分で作る「出汁パック」を活用する
「どうしてもティーバッグの便利さが手放せない!」という人は、自分でティーバッグを作ってみるのも良いでしょう。
スーパーや百円均一ショップには、お茶用の出汁パックが売られています。これに好きな茶葉を入れれば、自分だけのオリジナルティーバッグが完成します。
ちなみに出汁パック、お茶専用のパックでも、素材を必ず確認しましょう。コットン100%と記載されたお茶パックがセリアさんで販売されていました。
食べられるフルーツティーもある!
プラスチックを飲まないのはもちろん、茶殻をごみにしないのが静岡生まれの食べられるフルーツティー、TEAtriCO(ティートリコ)です。
市場に出回らない規格外フルーツを活用したドライフルーツとハーブの個性豊かなブレンド。
茶こし不要、カップに注ぐだけなので後片付けも簡単です。
ヨーグルトやアイスのトッピング、お酒に漬け込んでサングリアに、お菓子作りの材料にするなどのアレンジもできます。
マイクロプラスチックを排出する方法はあるの?
一度体内に取り込まれたマイクロプラスチックを、完全に排出する方法は、残念ながらまだ確立されていません。しかし、体内のデトックス機能を高めることで、排出を促すことは可能です。
1. 水分をしっかり摂る
私たちの身体は、尿や汗を通じて老廃物を排出します。水をたくさん飲むことで、これらの機能が活発になり、体内の毒素を外に出すことができます。
2. 食物繊維を摂る
食物繊維は、腸の働きを活発にし、便通を促す効果があります。便と一緒に、体内の不要なものも排出されるため、積極的に摂りましょう。
野菜、果物、穀物、海藻類などに多く含まれています。
3. 腸内環境を整える
腸内環境は、免疫力やデトックス機能に大きく関わっています。乳酸菌やビフィズス菌を含む発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)を摂ることで、腸内環境を整えることができます。
まとめ:選んでお茶を飲もう!
今回の研究結果は、私たちの身近な生活の中に、プラスチック汚染が潜んでいることを教えてくれました。
しかし、過度に恐れる必要はありません。大切なのは、**正しい知識**を持って、賢く生活することです。
手軽さで選んでいたティーバッグの素材に少し意識を向けるだけで、マイクロプラスチックの摂取を減らすことができます。
急須で茶葉からお茶を淹れる習慣は、プラスチックを避けるだけでなく、**環境への配慮**にもつながります。
お茶を飲むことは、心と身体を癒す大切な時間です。
今回の記事を参考に、もっと安心して、美味しいお茶を楽しんでくださいね!














